別れの手紙、So Long

Happy Ending 全曲解説 その10


『 So Long 』


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PCでの閲覧で、YouTubeの曲を最後まで聴いて画角が右ズレして左端の文字が欠けたときは、お手数ですがブログの再読み込みをお願いします



全曲解説も、次回でいよいよ最終回を迎えます。

これまでの物語の伏線を回収しながら大団円に向かいますが、行く手に立ちはだかるのは、謎多き新曲「So Long 」です。


よって、今回の目次も謎とともに…。


第1章 小野小福の謎

第2章 So Long 誕生の謎

第3章 墓前に青空




第1章 小野小福の謎


前回の「ダンスが終わる前に」の解説の中で、私が2011年4月放送の「元春レディオショー」を聞き逃したと記したところ、この連載をご覧になっている方から、即座に救いの手がさしのべられました。

MRSの内容はすべて興味深いものでしたが、特に印象深かった大滝詠一さんの発言が二点ありました。

一点は最終回でふれるとして、もう一点は次のようなものでした。

はっぴいえんど結成直前の1969年に細野、大滝、松本の3人でドライブの旅に出た。
  その時の思い出を彼(松本)は『1969年のドラッグレース』に書いた。
 『イーチタイム』の時には15年経っていたが、まだ終わりじゃないっていうようなことを、彼(松本)は言いたかったんじゃないですか。
   僕は終わるつもりだったんですけどね(苦笑)


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一方、今年の4月末に発行された「平凡'85 Special 僕らの80年代」には、「1969年のドラッグレース」の歌詞に関わる記事がありました。

インタビューで松本隆氏が、「1969年のドラッグレース」について「 別れの手紙だと大滝さんもわかって歌っているんだ 」と述べていたのです。

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なにやら、別れた恋人同士が、

こっちが先にフッたんだ

いやこっちこそとっくに別れるつもりだったんだ

と昔を振り返っているように見えてしまいます。


思うに、発端はその昔の「ガラスの入江」事件。

松本隆氏が雑誌の取材で、「ガラスの入江」(作曲:大瀧詠一)などの曲についてコメントする際、松田聖子の「天国のキッス」(細野晴臣さん作曲)を絶賛する一方で、「大滝さんのメロディは抑揚がなくてどれも全部同じ曲に聞こえる。自分の歌詞が乗ることで初めて区別がつくようになる」という旨の発言をしたのです。

敢えて載せなくてもいいくだりを編集者がそのまま掲載し、さらに曲名を「ガラスの林檎」と間違えていました。


一方、大滝さんは、凡庸と感じた「フィヨルドの少女」の歌詞や、詰めが甘いと感じた「Bachelor Girl」の歌詞に対し不満があったのかもしれません。

お互いが過小評価しあう時期があったのでしょう。


そんなこんなも踏まえつつ…。


まずは、当ブログの初回、 大滝詠一さんの新曲「So Long」の秘密 を、もう一度ご覧になってみてください。


「So Long」の歌詞は、市川実和子の「22才のMellow」の歌詞と完全に一致…と思いきや、1カ所だけ次のように書き換えられています。

消えない足跡見つけたら(22才のMellow)
 「変わらぬ何かがあるはずよ(So Long)


変わらぬ何か」って何なのか…。



しかし、ここで立ち止まって考えている暇はないので、先を急ぎます。



「22才のMellow」の一人称は「」で、二人称はなぜか「あなた」でなく「」です。

歌詞を読んでみても、若い男女の恋愛というよりは、性別を超越した慕情や友情のようなものがテーマなのだろうか、と思えてしまいます。


しかし、「So Long」で「変わらぬ何かがあるはずよ」と歌詞を書き換えた人は、一人称の主人公が使う言葉を、明確な女性ことばに書き換えてしまうという、致命的なミスを犯しています。


その経緯としては、こんなケースが考えられるかもしれません。

メインとサブ、ふたりの作詞者が共作で歌詞を完成させたが、後になって、サブ作詞者は独自に強調したいメッセージを盛り込みたくなって一部を改変。

その際、うっかり女性ことばの歌詞にしてしまった…。


そもそも、「22才のMellow」すなわち「So Long」の作詞者、小野小福って誰なのでしょうか?

市川実和子のアルバム『PINUP GIRL』(1999年)の全10曲の歌詞を、大滝さんが一人で手掛けることは、到底考えられません。

小野小福って小野小町(おののこまち)とかけているんでしょうか。

だとしたら、女性なのでしょうか。


『PINUP GIRL』の曲の全歌詞は、結構ハイセンスな言葉選びがなされています。

しかし、前述の経緯からして、松本隆氏が関わっている可能性は低いような気がします。


その一方で、「So Long」の歌詞を読んでいると、別れた盟友へ再会を呼びかけているような…、そんな風にも思えてくるのです。


ただ、その再会は、複雑な思いが交錯するのか、照れ隠しなのか、笑顔でハッピー・エンディングという訳にもいかないのでしょう。

「So Long」のラスト、3分23秒~を聴くと、「♪ 優しく微笑みあおうね 」のくだりで、「♪ ほほえみ 」の箇所だけが、聞こえないくらい小さなボリュームで歌われているんです。

思えば、「So Long」って、「じゃあ、またね」とか「さよなら」っていう別れのあいさつなんですよね。



第2章 So Long 誕生の謎


「So Long」は、アルバム『PINUP GIRL』に収録の「雨のマルセイユ」と構成、コード進行、テンポ、曲長ともすべて同じです。

決定的な違いは、キーが半音で4つ違うところです。


この2曲の出自について、市川実和子の「雨のマルセイユ」の完成版がまず存在して、それと全てがそっくりな姉妹曲「So Long」のオケが、大滝さん用に別途レコーディングされた、というストーリーは考えにくいものです。

必然性がないからです。


想像するに、制作上なんらかの困りごとがあって、次善の策として、いや苦肉の策として、「雨のマルセイユ」と「So Long」との両曲が存在することになったのではないでしょうか。


れんたろう探偵( * 弦とスキャットの謎の回 参照)が推理した、あまりにも大胆なストーリーをここでご紹介しましょう。

物語の主人公は、大瀧詠一さんです。

  1. ◆まず、市川実和子のアルバム用に「雨のマルセイユ」の曲と歌詞を大まかに作った。…1.
  2. ◆リズム・セッションをレコーディング。この時、 Eb (イーフラット)のキーで録音した。…2.
  3. ◆追加のパーカッションやストリングスもオーバーダビングした。…3.
  4. ◆歌メロを最終的にフィックスして、市川実和子のボーカルを録音しようとしたら、キーが高すぎた。…4.
  5. ◆熟慮の結果、キーを下げたオケを最初からレコーディングし直すのは回避する、という決断を下した。…5.
  6. ◆前述 3. で完成していたオケを使いつつ、なおかつ、市川実和子の音域で歌えるような、新たな歌メロを作曲し、意味深な歌詞も同時に書き上げ、めでたく「So Long」に転生させた。…6.
  7. ◆しかし、「雨のマルセイユ」は歌詞もメロディも出来がよく、お蔵入りはもったいないと考え出した。…7.
  8. ◆大胆にも、ピッチシフト・プラグインを駆使して、録音済みのオケを移調しようと目論んだ。…8.
  9. ◆半音で2つくらいキーを下げればよいかと思ったら問題が生じ、ならば上げればよい、と半音で4つ上げて G のキーに移調した。…9.
  10. ◆機械的に移調したため、音質が多少犠牲になったが、思いっきりエコーをかけてごまかし…いや、ソフトな雰囲気で包み込んだ。カスタネットなどはオフった。このオケに市川実和子のボーカルをダビングした。…10.
  11. ◆前述 10. が一般に知られる「雨のマルセイユ」である。前述 9.半音で4つ上げる、は半音で8つ下げる と同意。半音で8つ、すなわち全音で4つキーを下げた ため、市川実和子のボーカルはとてつもなく低音キーになっている。…11.
  12. ◆あとに残ったのは、「So Long」の歌詞とメロディ。もったいないので、「22才のMellow」というタイトルにして、平松愛理さんに作曲を依頼した。…12.
  13. ◆前述 3. でせっかく素晴らしいストリングス・アレンジを得ておきながら、前述 10. の深いエコーによってシュワシュワで不鮮明な音にしてしまった。これを悔やんで自分でも前述 3.のクリアな音のオケで歌ってみた。この時に歌詞の一部を改変した。これが、「So Long」である。…13.
  14. ◆女性キー(「オリーブの午后」と同じEb)で低すぎるかと思ったが、歌ってみると意外にイケる、と実感。…14.
  15. ◆これが、 全曲解説の「恋するふたり」の回 で述べたように、自らの歌声の低音の魅力にあらためて気付く契機になった。…15.
  16. ◆後に「So Long」のメロディが、「恋するふたり」(2003年)のメロディの3分の1として再活用された。…16.
  17. ◆「恋するふたり」とメロディが“かぶる”し、平松愛理さんにも失礼にあたるので、今日まで「So Long」が発表されることはなかった。…17.


若干の補足説明を加えます。

上記 1.で「雨のマルセイユ」の方が「So Long」よりも先だったという推理の根拠について…。

「So Long」は、「♪ 優しく微笑みあおうね 」の「 あおうねー 」のリフレインで、少し“無理くり感”が感じられるからです。


上記 4.で、ボーカル録音のタイミングまでキーが合わないことに気付かないことなんてことがあるのか? という疑問について…。

「雨のマルセイユ」は名曲であるが故に、最初、「オリーブの午后」のように男女でデュエットできるキー(Eb)に設定したと思われます。

市川実和子のジャストなキーに設定すればリスクはなかったのでしょうが、大滝さんとの二人のちょうど真ん中あたりにキーを設定した結果、市川実和子にとっては上の方の音が苦しくなったのでしょう。

そもそもオケのレコーディングに際して、大滝さんはその段階でも歌メロをフィックスしていないことが多いのです。

それゆえに、上記4.のような事例が起きるのでしょう。

松田聖子の「いちご畑でつかまえて」でも、いざボーカルを録音しようとしたらキーが高すぎて、もともとはコーラスとして3度下でハモるはずだった旋律を、そのまま主旋律にしてしまったという、大滝さんならではの逸話があります。

そのあたりの事情を裏付ける資料に当たってみましょう。

前出の「僕らの80年代」では、松田聖子のプロデューサーを務めた若松宗雄さんへのワクワクするインタビューが掲載されています。
若松氏いわく「風立ちぬ」のオケの録音時に、大滝さんはメロディーをフィックスしていなかったと…。
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「 Happy Endで始めよう(バカラック Ver.)」の回 に登場したエンジニア・内藤哲也氏は、市川実和子の『PINUP GIRL』ではリズム・セッション録りを担当しました。

サウンド&レコーディング・マガジン誌上で、内藤哲也氏によって明かされたその時の裏事情は…。

ナイアガラは“オケ先”で、大滝さんがスタジオに入る時にはメロディは全然できていないのだと…。
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まさに、「So Long」制作の現場に居合わせたエンジニアとしての驚きの吐露のようでもあります。


上記 9. で、なぜ単純にキーを少し下げなかったのか?という疑問について…。

理由は二つ考えられます。

一つは、ピッチシフト・プラグインやPRO TOOLS本体の機能では、オケのキーを下げるよりも上げた方が、音質の望まぬ変化が少なかったのではないか、ということです。

もう一つは、オケのキーを下げると、アレンジや演奏の関係上、弦楽器やベースギターの発音域を超えて下がってしまい、実在しない不自然な音が鳴るケースだったかもしれない、ということです。
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上記 10.で、機械的に上げ下げするなんて上手くいくのか? オケを録り直したのではないか?という疑問について…。

たしかに、れんたろう探偵の推理は、一見“あまりにも大胆なストーリー”でしょう。

かつて「君は天然色」でサビをEのキーからDのキーへ下げたときは、ハーモナイザーを使いました。

たとえば単音のギターのフレーズに3度上のハモりを重ねたいときにハーモナイザーをかませると、自動的にハモりの旋律を生成して鳴らしてくれるわけです。

ただし、『A LONG VACATION 30th Edition』収録の「君は天然色 (Original Basic Track)」を聴くとわかるように、当時、オケを丸ごとハーモナイザーに通したとき、その音質の変化は顕著でした。

しかし、20年の間に音楽制作環境は激変し、1999年頃はDAW環境が進化。PRO TOOLS は24Mix Plus になった時代でした。

その当時、オケのうち音階のあるパートを個別に、あるいはまとめて移調させても、エコーを深くかければ、ギリギリ市販に耐え得る品質だったと思います。

ちなみに、現代のピッチシフト・プラグインを使えば、テンポを変えずにキーを上下させるのはお手の物ですし、タイムストレッチ・プラグインを使えば、ピッチを変えずにテンポを変化させることができます。

ご興味のある方は、 動画つきの製品紹介のサイト でその性能をご確認ください。


さて、「So Long」と「雨のマルセイユ」とを2曲並べて、DAWソフト上に配した画像をお借りしたので、ご覧ください。(ナイアガラ・ファンの五月女さん提供)
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「ラストダンスはヘイジュード」ならぬ「雨のマルセイユでSo Long」を作ろうとされたのですが、この2曲は、曲の頭からお尻までテンポがずれることなくぴったりシンクロしていたとのことです。

それを知って、れんたろう探偵の 自信が確信に変わりました(笑)。



第3章 墓前に青空


「So Long」の歌い出しで聴かれる「ナイアガラ・黄金のコード進行」の楽曲はこれまで、8曲ありました。


これについては、当ブログの本館サイト「れんたろうの名曲納戸」の「ナイアガラ夜話」のコーナーを、いま一度ご参照ください。

青空のように」から連なるナイアガラ史で、「So Long」は、制作順でいえば、「恋するふたり」と「雨のマルセイユ」の間に位置づけられることになります。

大滝さんは、「青空のように」のパターンで何曲もつくったという旨の話をされていました。


C /Em /Am /Em 」という4小節が注目されがちですが、それに続く4小節と合わせて8小節で一つの流れになっています。

この8小節の流れの源流にあるのが、PPMの「パフ」かもしれません。

パフの出だしは「C /Em /Fm /C 」ですが続く4小節の流れは同じです。


「パフ」といえば、「スピーチ・バルーン」のほうが、より影響を受けているようです。

「♪ Puff,the magic dragon 」の「 puff 」とは、龍の一吹き、転じて漫画のふきだし

松本隆氏は、「スピーチ・バルーン」のメロディ入りデモテープを受け取って、大滝さんからの具体的なオーダーを聞くことなく、この曲は「パフ」の影響を受けていると見抜き、スピーチ・バルーン(漫画のふきだし)という詞の世界に仕上げました。


「恋の汽車ポッポ」も同様で、大滝さんからの指示がなくても、松本隆氏は曲の雰囲気が「ロコモーション(蒸気機関)」の影響を受けていると感じ取り、このタイトルを付けて作詞しました。



そう考えてみると、「ガラス壜の中の船」もまたしかり、なのでしょう。




「ガラスの入江」では「♪ あの日彼のバイクの 後に乗って 」の一文で「 Bad Girl 」(ニール・セダカ)を象徴しています。

これらは、松本隆氏が非凡であるがゆえというよりも、もともとミュージシャンで大滝さんと同じ音楽世界観を共有しているからこそ、なし得るのだと思います。

松本隆氏は大滝さんにとって欠くべからざる共作者だった、と言えるのかもしれません。



さて、再び、「青空のように」へ話を戻して…。

お墓ポータルサイトの「いいお墓」で、なんと、大滝さんのお墓が紹介されていましたので、以下のリンク先をご覧になってみてください。
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墓石に刻まれた楽譜は、「青空のように」なのです。

もしかして生前、大滝さんは、お墓は「青空のように」がいいなあ、なんて話されていたのでしょうか…。

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今回、小野小福の謎も、「So Long」誕生の謎も、真相解明には至りませんでした。

こんな時には、大滝さんのことば「 迷った時には墓参りだよ 」を思い出します。

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でも、富士見霊園で大滝さんに尋ねてみても、返ってくる返事は、きっと「あとは各自で」。


ならば、私が大滝さんにかける言葉は、ただ「ありがとう」と「 So Long 」…。


そして、大滝さん、墓前で一節、口ずさんでもいいですか?


♪ 空のように さわかやかな気分に

   させてくれる ほほえみ なげておくれ



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この記事へのコメント

Mann-ia
2020年05月22日 20:35
おひさしぶりです。

松本隆さんが、「スピーチ・バルーン」のメロディ入りデモテープを聞いて、そこに“Puff, the Magic Dragon”の影響を読みとり詞をものしたという推理、お見事ですね。PPMのこの曲は、つづくシングル曲ともども、Billboard Hot 100で2位につけるほどヒットしましたが、その後続曲が“Blowin’ in the Wind”。これ、「言いそびれて白抜きの言葉が風に舞うよ」という行とつながり、傍証となりうるのではと。(「風に吹かれる答」が「風に舞う白抜きの言葉」だとしたら、という謎かけと謎解きは、また別の機会に…)

で、ふと思い出したことが。

ずいぶん昔、「れんたろうの名曲納戸」のBBSで、私は、「スピーチ・バルーン」の下敷きの1曲として、Diane Renayの“Navy Blue”(co-written & produced by Bob Crew)https://www.youtube.com/watch?v=6Julr7EAPt8 を挙げたことがありました。

同曲の歌詞は、海軍兵の「steady boy」が腰を落ち着けてくれないことへの嘆きを主題としています。つまり、「白抜きの言葉」を招来した別れの場面を、松本さんは“Navy Blue”から連想して、他ならぬ港に設定したという推理もできるのでは?

(ちなみに、“Navy Blue”には、東京からの手紙に添えた土産物のゼンマイ人形が“Wish you were here(君がここにいてくれたら)”とおしゃべりするという行があります。)

大滝さんとBob Crewとのつながりについては、れんたろうさんが「恋するカレン」がらみでとうに指摘されていました(http://www.alongvacation.com/rentaro/contents_02/1_04.html)が、「スピーチ・バルーン」もその一例に加えられるかもしれませんね。
2020年05月23日 23:59
Mann-iaさま、こんにちは。

“Blowin’ in the Wind”。

「風に舞うよ」
というのは、なるほどですね!!

ダイアン・リネイの「ネイビー・ブルー」は、
私にとっては、松田聖子「風立ちぬ」の間奏です!
前奏の「キスミー・セイラー」とセットで(^^)
Mann-ia
2020年06月04日 22:45
 「風立ちぬ」の前奏に“Kiss Me Sailor”、間奏に“Navy Blue”、まさしく。
https://www.youtube.com/watch?v=xh3TLnpnjjU
 そして、Jimmy Clantonの“Venus in Blue Jeans”、Frankie Avalonの“Venus”、Earl-Jean(Little Evaの”The Loco-Motion”のバック・コーラスを担当したThe Cookies のメンバー)の“We Love and Learn”あたりをいい塩梅に引用していますね。

 「風に舞うよ」と松田聖子といえば、「白いパラソル」(「答は風の中ね~」←“The answer, my friend, is blowin’ in the wind”)。
 で、以前から気になっていたことを。
 「涙を糸でつなげば真珠の首飾り 冷たいあなたに贈りたいの」ってあの行。『古今和歌集』所収の「藤衣はつるゝ糸はわび人の涙の玉の緒とぞなりける」(壬生忠峯)あたりを、松本隆さんは換骨奪胎されたのかなと。(「SWITCH」2020年6月号では、「ぼくは詞というものを長く追求してきたわけじゃないですか。結局行き着いたところが西行、良寛、業平なんです。」とおっしゃっているので、『古今和歌集』の哀傷歌で業平っていうと、「つひにゆく道とはかねてきゝしかど昨日今日とは思はざりしを」になりますが。)
 「君は天然色」の詞が妹さんとの死別の悲嘆を昇華して書かれたり、「夢で逢えたら」は大瀧さんのお父ちゃん(“My Dad” by Paul Petersen)への追慕を重ね合わせていたりする(「薄紫色」=藤色←藤衣=喪服)ので、「冷たいあなた」も冷淡さだけではなく亡骸が連想されもして、ポップスを一際光り輝かせていたのは死の陰影だったのかも…って、穿ちすぎですか。

 そうそう、自分の前回のコメントを読み返して気づいたのですが、‘Bob Crew’は‘Bob Crewe’と表記すべきでした。
れんたろう
2020年06月08日 14:57
「木綿のハンカチーフ」の歌詞が実はボブ・ディランであるように、松本隆氏は洋楽の歌詞を相当研究しているのだと思ってましたが、「結局行き着いたところが西行、良寛、業平」というのがおもしろいですね。

いわゆるシティ・ポップといわれる曲の大半の歌詞がパサパサでつまらないのに対し、松本隆氏の歌詞が幅広い層の日本人にウケるのは、松本隆氏が“詠み人”だからなのでしょうね。